企業、官僚、政治家、経営者、会社員たちへの批評が主となる内容の一冊です。批評というよりも批判という方が正しいかもしれません。
かなり辛辣ですけども、的を射てるなぁと思うところがしばしばありました。さすがにその全てをここに書き出すような無粋な真似はしませんけどもね。
ただ残念な点は、具体的な内容や事柄を省略して意見を述べる、というスタイルでしょうか。その具体的な内容や事柄を知らない人に対しては説得力に欠け、「ソースを出せよ」と言われてしまう恐れがありそうです。元々が雑誌掲載のエッセイだったという制約も、その原因かもしれませんね。
そのスタイルを踏襲する形になりますけども、私も本文の具体的な箇所を端折りつつ、強く共感してメモしておいた部分だけを、ここに書き出しておきます。
歴史は「一将功成って万骨枯る」の一将といった、一人や二人の英雄によってうごかされるものではない。本書には続編のようなものがあるようです。でも決め付けや思い込みの強い部分もある著者という観もあるので、また読むかは微妙ですね。
残酷なのはテレビではない。現実なのである。
悪い女は強い女。怠惰で愚鈍では「悪」は行えない。
下半身の問題を論じるのは品がない、という発言こそ女性蔑視の表れ。
一民族国家では他民族への理解が行き届かず、自民族の伝統や制度を他民族に押し付けがちになる。
「いずれの方面も良くない。米軍をピシャリと叩くことはできないのか」(S19.8.5. 大日本帝国軍 最高責任者の発言)
連帯保証人でも何でも、判子を押したら、その人は責任から免れない。なのに最高責任者が多くの人間を戦場に送り、彼らに戦争の罪を犯させたのにも関わらず、その最高責任者に責任はないと論じるのは、彼にはその責任を負う能力がないとしてバカにするのと等しいのではないか。
読書期間:始)2015.3.14 ~ 終)4.8
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