
しばらくお堅い本が続いたので、そろそろ難しく考えずに済む本を読もうと思って選んだのが、この一冊です。「しゃばけ」シリーズの第二作目にあたります。
前回の「しゃばけ」は長編でしたけども、こちらは一話五十頁前後の短編集になります。長編の時と違って中だるみも少なくて、気軽に読めました。
あくまでファンタジー小説で、ミステリーや探偵小説ではありません。そういう意味で「空のビードロ」と「仁吉の思い人」の二篇の読後感は、好印象を残してくれました。
もしもミステリーや推理小説の類だと考えて読むと、六話目「虹を見し事」あたりは、ちょっとイラッと来ること請け合いです。
ぬしさまへ しゃばけシリーズ 2 (新潮文庫)
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巻末の解説では「一言で説明するならば、『お江戸日本橋』の大店、長崎屋の若旦那一太郎が、彼を見守る妖怪たちの力を借りつつ、江戸を騒がす難(怪)事件を解き明かしていく」物語なのだそうですけども、この解説には頭を傾げるばかりです。
なぜなら実際にはほとんどの場合、江戸を騒がす事件というよりも、むしろ若旦那個人の周辺で起こる事件だけを解き明かす物語なのですから。
とはいえ、難しく考えることなく読める、毒気のない小説であることには変わりありません。時にはこういう邪気のない物語を読んで、魂の浄化をしておくのも悪くないと思いました。
読書期間:始)2015.4.9 ~ 終)4.15
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