誰しも名前くらいは聞いたことがあるアラビアン・ナイトですが、その内容と言えば「アリババと40人の盗賊」「シンドバットの冒険」「アラジンと魔法のランプ」くらいがよく知られるところで、それらの有名な話にしても正確な話の筋となると、意外と記憶が曖昧な人が多いのではないでしょうか。
いわんや、その他の話となれば全く知らない人が多いでしょう。
アラビアン・ナイトという名前は知ってる。でも内容は知らない。これは知ってるとは言わないと思います。
もちろん莫大な数の御伽噺ですから、全部知っておく必要はないと思いますが、先に挙げたものだけしか知らないというのも心細い限りです。
アラビアンナイトを楽しむために (新潮文庫)
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阿刀田高の「アラビアン・ナイトを楽しむために」ではあまり知られていない話をいくつか選び、阿刀田流の解釈などを交えつつ、判りやすく語ってくれています。
東洋文庫の「アラビアン・ナイト」も読んでみましたが、これらをまともに読むとうんざりしてきます。同じような言い回しや詩が繰り返されてすぐに飽きます。とてもじゃないけど物語を楽しむところにまで入り込むのは難しいです。
そういう意味ではこの「アラビアン・ナイトを楽しむために」は非常に良書だと思います。全然知らない人でもアラビアン・ナイトの世界を楽しめます。
アラビアン・ナイトが収める御伽噺の数は莫大です。人知れず埋もれてしまったままの話を取り上げて、現代語で大胆に意訳して紹介してみる人がもっと出てきてもいいのではないかと思いました。
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