「リンカーン弁護士」マイクル・コナリー (講談社文庫)

2012-08-16

海外の作家

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高級車リンカーンの後部座席を事務所代わりに使う刑事弁護士ミッキー・ハラー。
別れた妻と娘を気にしつつ、終始家のローンの支払いに追われていた彼は、弁護士業をビジネスと割り切り、日銭を稼ぐようにこまめに事件を拾っては弁護士報酬に結びつける日々を送っていた。
そんな彼のもとに高額報酬を約束する事件が舞い込んだ。依頼人はルイス・ルーレ。資産家の息子だ。容疑は婦女暴行。久々の儲け話に意気込むハラーだったが……。

 先に映画で「リンカーン弁護士」を観たのですが、展開が早くて、
「あれ? 何であそこであーなったんだろう」と疑問に思ってたところを解消するために読んでみました。
 専門的な用語などが多く盛り込まれていて、前半は若干取っ付き難い印象がありますが、読み進めていくとどんどん引き込まれていきます。

 依頼人が事実犯人なのか無実なのかよりも、報酬の支払い能力があるかないかの方が重要な弁護士ミッキー・ハラー。支払い能力があるなら報酬に見合う労力を払って無実を、あるいは極力容疑者に有利な判決を勝ち取ろうとする姿勢は、一般的には正義とは程遠いところのものです。今まであまり見ないタイプの主人公です。

 そんな彼が最も恐れるのは、依頼人が本当に「無実の依頼人」=冤罪だった場合です。
 彼は今まで、自分は「無実の依頼人」であると依頼人がいくら主張しても、どうせ嘘に決まっていると決め付けて仕事をこなしてきました。そこへまた「無実の依頼人」を強く主張する、金づる候補の依頼人ルイス・ルーレに出会い、もしかすると今度こそ本当にその「無実の依頼人」なのかもしれない、と思い始めるのですが、話はここからが面白くなってきます。


 映画と比較するのはあまり意味がないと思いますが、小説の方はもう少しすっきりした内容にできたような感じはします。映画の方は逆に内容を端折り過ぎてて、分かりにくいところがありましたけども。
 面白さだけで言えば、かなり面白いです。アメリカの裁判事情など社会的な問題も取り上げられている点も評価できると思います。

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