DNA捜査が導入され、警察による検挙率100%、冤罪率0%になった近未来の日本の物語。
警察庁特殊解析研究所所属の神楽龍平は、DNA捜査の優秀さに確固たる自信を持ち、積極的にその導入を推し進めていた。
ある日、DNA捜査システム開発における最重要人物、蓼科 早樹(たてしな さき)が殺害された。
DNA解析により、すぐに犯人を特定できると高を括っていた神楽龍平だったが、システムによってモニターに表示された人物は神楽龍平その人の顔と名前であった。
全く身に覚えのない神楽龍平であったが、今更になってシステムが出した答えを疑う者はいない。
こうして神楽龍平は容疑者として警察から追われる身となり、一人、事件の隠された真実を探ることになる。
さすが東野圭吾氏、という感じの展開でぐいぐい読ませていく話でしたが、誰が主人公なのか、もう少しはっきりした視点で話を構成した方がよかったような気もします。
プラチナデータ (幻冬舎文庫)
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一見すると冤罪率0%を謳っていた本人が身に覚えのない事件の容疑者にされる、システム的な冤罪事件なんですが、神楽龍平は二重人格者であるために毅然と「冤罪だ。システムのエラーだ」と言えないところがポイントでしょうか。
警察が国家機関である以上、いかに優れたシステムを作り出そうと国益を優先するだろう、みたいなお話でもありました。
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