シリーズ物はあまり読みません。人気漫画の連載と同じでキリがないですから。しかもシリーズが終了する、其れすなわち人気薄のため、というケースが多いです。そうするとシリーズ全体では、尻すぼみな結末しか待っていない、ということが多々あるからです。
そんな私が「図書館戦争」(シリーズ第一作)を読んで得た感想は、こういうのもいいな、面白いな、といったものでした。
漫画は読んでも小説は読まないという人の中には、小説はまだ敷居の高い、お堅いジャンルのように感じる方がいるかもしれません。読み手が減れば、必然的に書き手は減ります。
漫画は低俗なもの、と思っている狂育熱心な親御さんもいらっしゃると思います。ですけども、漫画が多くの人を楽しませているのも事実です。
多くの漫画の読者の中には、自分も漫画を描いてみたい、こんな感じなら自分でも描けるんじゃないか、やれるんじゃないかと、ちょっとした遊び程度で漫画を描き始める人もいます。その中から優れた描き手が現れることで、漫画の人気はさらに高まりました。また人気と共に漫画の内容や質も、玉石が交じりつつも発展・向上してきたと思われます。参画人口の多さが、あるジャンルの文化の発展・向上に繋がると言えるのではないでしょうか。
小説にしても同じで、読者が増えるなら、まずは読みやすく面白い、ただそれだけでいいのではないかと思います。読者の増加がそのまま優れた書き手の出現に繋がるとまでは言いませんけども、ある程度の裾野がなければ、次の担い手の育成すら困難です。
以上のような理由も視野に入れて、「図書館戦争」は面白いと思えました。読者もこういう感じの話なら自分でも書けるかも、自分も書いてみたいという気になるのではないでしょうか。もちろん実際には難しいんでしょうけどもね。
図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)
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内容としては恋愛ものの筋と、表現の自由・言論の自由を巡って図書館と政府が対立し、抗争するという二重の筋から構成されます。前者はお約束的なシンプルな話ですし、後者もさほど深刻な話にまでは掘り下げられていないので、ファンタジー要素のないライトノベルのような感じで読めるのではないかと思います。
若干、私の苦手な体言止めが目に付きましたけども、それを差し引いても、小説に苦手意識を持ってる人にお勧めできる本ではないかと思います。
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