タイトルだけ見ると、まるで子供向けの絵本のように思ってしまうかもしれませんが、動物のデザインをサイズから考察・検証し、人間に理解できるものにする生物学の本です。
数式なども出てきますが、分からなくても読み進めることができます。事実、算数や数学が苦手な私でも読了できましたので。
サイズに応じて、生命を維持するのに必要なエネルギーが変わってくるのは、直感的に当然だと感じますが、ではなぜ生物がいろんなサイズやデザインなのか、となると不可解な迷路に迷い込みます。
大きな生物の方が生存に有利なら、生物全てがなぜゾウのように大きくならないのか。逆に小さい方が有利なら、生物全て単細胞生物のままでいいはずなのに、です。
また人間に必要なエネルギーとは、サイズに対して果たしてどのくらいのものなのか。現代日本で消費されているエネルギーは、果たしてサイズに見合った量なのであろうか。といった内容の話もあります。
よくよく考えれば、例えば車という乗り物は本当に便利な乗り物と言えるのだろうか。そういうことを生物学の観点から、またエネルギーの観点から考察していくという切り口で、現代社会に疑問を投げ掛ける良書だと思います。
ちなみに著者の本川達雄氏は生物学者とシンガーソングライターの肩書きを持っており、「歌う生物学者」としても知られているそうです。
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