「高野聖」泉鏡花 (集英社文庫)

2013-06-15

その他の著者

t f B! P L


 集英社から出版されている「高野聖」を読了しました。表題作を含む五篇からなる短編集です。
 いわゆる俗っぽい怪談小説を期待してたんですが、実際には幻想小説といった内容でした。もしかすると読む人によっては怖いと感じるかもしれませんが、基本的には怖い話はありません。

 「星あかり」と「海の使者」は登場人物が一人で、ひたすら妄想の類を膨らませるような話で、必然的に話自体は膨らみません。

 表題作の「高野聖」については、怪談的な怖さや不気味さよりも生理的な気持ち悪さを覚えます。 特に印象的なのは森の中で蛭に襲われる場面ですね。実際に蛭に吸い付かれた経験があるので、余計に気持ち悪く感じました。

 「眉かくしの霊」に至っては、もう何が怖いんだか全く分かりません。
 どちらかというと姦通事件の話に出てくる、婆さんや猟師、婆さんと暮らす嫁、そこに訪れる画師、これらの生身の登場人物たちの方がよほど怖いです。狂っているのにその自覚がない人間が一番怖いという思いが湧きました。


 この五篇では「外科室」が個人的には一番のお気に入りです。
 現実にはありえないことだとは思うのですが、青臭い私としてはありえないからこそ逆にそんな稀有なことがあって欲しいような気もする、そして少し残酷なお話です。

「外科室」あらすじ
医師・高峰は大きな手術の執刀を控えつつも、落ち着き払っていた。
外科室の手術台の上では、患者である伯爵夫人が手術のための麻酔を頑として拒む。
人に話せぬ秘め事を、麻酔によって自分が無意識の内に口走ってしまうことを恐れていた。
医師・高峰は彼女の意思を汲み、麻酔無しでの無謀な手術に挑むのだが、彼女の秘め事とは一体……?

このブログで探す

人気の記事

最新の記事

プライバシーポリシー

当サイトでは、Googleアドセンスなど第三者配信の広告サービスを利用しています。このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 『Cookie』(氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。 またGoogleアドセンスに関しては、このプロセスの詳細およびこのような情報が広告配信事業者に使用されないようにする方法について、こちらで詳細がご確認いただけます。

アクセス解析ツールについて

当サイトでは、Googleによるアクセス解析ツール“Googleアナリティクス”を利用しています。 このGoogleアナリティクスはトラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。 このトラフィックデータは匿名で収集されており、個人を特定するものではありません。 この機能はCookieを無効にすることで収集を拒否することが出来ますので、お使いのブラウザの設定をご確認ください。 この規約に関しての詳細はこちらをご確認ください。

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ