北鎌倉駅近くにある古書店「ビブリア古書堂」の店主・篠川栞子は、本に関して並み外れた知識を持つ美貌の人である。ちなみに巨乳でもある。
本が読めない体質という五浦大輔は彼女に好意を寄せ、アルバイトとして「ビブリア古書堂」で働くことになるのだが、そこで知ったのは彼女が本の内容に関する知識だけでなく、本そのものを取り巻く物語に対しても鋭い洞察力の持ち主だったということだ。
今日も「ビブリア古書堂」に古書と物語が持ち込まれてくるのであった。
一言で申し上げますと、ほのぼの系推理小説です。
推理小説というとよく人が死んだり殺されたりしますが、この小説ではそういう血生臭い事件とはほぼ無縁です。主人公の五浦がライトノベルのモテ男子のようにモテてる様が気に入りませんが、そこは寛大な目で見ておこうと思います。
どちらかというと推理小説というよりもライトノベルに近いような気もするんですが、時折綺麗な文章が綴られていて、思わず「おっ」となってしまう場面もあり、大雑把にライトノベルという括りに入れてしまうのは勿体無い気がします。
一話完結の連作短編の形になっていますので、読書が苦手という方にも読みやすいと思います。
推理小説としては意外性や巧妙なトリックや伏線といったものが弱いので、ディープな推理小説ファンの方には厳しい評価をされてしまいそうですが、個人的には、これはこれで全然ありだと思います。逆にこれくらい軽く、ほのぼのと読める推理小説を探すとなると中々見つからないのではないでしょうか。そういう意味では十分評価できると思います。
もし悪い点を挙げるなら、五浦のライトノベル男子のようなモテぶりと、栞子の天然ぶりでしょうか。いや栞子さんの天然ぶりは可愛いんですけどね。「すーすすすー」と口笛を上手く吹けないところとか。
そこはこのシリーズの魅力でもあるライトノベル的要素ではあるんですが、やはりリアリティに欠ける天然ぶりなので、そんな奴いないよって逆に却って現実に引き戻されてしまうんです。そこが少し残念に思いました。
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